物性物理学
物性物理学の参考書は複数持っておきたい
物性物理学を学ぶためには電磁気学、量子力学、統計物理学など幅広い分野の知識が必要なため、物性物理学は大学3〜4年に学ぶ事が多いです。物性物理学は初等的な内容がまとめられた参考書から、専門性の高い参考書までいろいろあります。大学の講義内容と合わせるためにもまずは物性物理学の入門的内容がまとめられた参考書を手に入れると良いでしょう。物性物理学の参考書を比較すると一方の参考書の方が、自分の知りたい内容が詳しく書かれていてわかりやすかったりするので、複数の参考書を見比べながら学ぶと効率が良いです。

大学4年では研究室に配属され、専門性が高い内容を学ぶ事になりますが物性物理学関連の研究室の数はどの大学にも多く、大半の方がその方向に進むと思います。そのときは自分の研究内容に合った専門的な内容が詳しく書かれた参考書を手に入れると良いです。
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キッテル 固体物理学入門 上 丸善
物性物理学を学び始めるにあたってまず手に入れておきたい参考書です。物性物理学に出てくる逆格子の考え方等は難しく、この本に書いてある事がなかなかすんなりと入ってこないかもしれませんが、後にこの参考書の解説が優れている事に気づくと思います。
新物理学シリーズ29 電子物性論 物性物理・物質科学のための 上村洸・中尾憲司 共著
物質の性質を決める電子を量子力学的、または統計物理学的に扱う方法や考え方、そして金属や半導体の物性について等、物性物理学の基礎的な内容が書かれています。物性物理学を学ぶときにぜひ持っておきたい参考書の1つです。
半導体工学シリーズ2 半導体の物理[改訂版] 御子柴宣夫 著 培風館
私が半導体について調べたり学んだりするときによく使う参考書です。半導体の専門書として半導体に関する基礎的な事が詳しく書かれており、固体の物性の基礎も詳しく書かれています。半導体を学ぶなら必ず持っておきたい参考書と言えるくらい良書だと思います。半導体を専門に学んでいる友人もこの本は半導体を学ぶのに大変参考になると言っていました。
固体物理学 新世紀物質科学への基礎 H.イバッハ・H.リュート 著 石井力・木村忠正 訳
結晶構造や電子物性、磁性物性等の物性物理学の基礎的な内容から、超伝導や半導体の高度な内容まで書かれた本です。図やグラフも多用しており物性物理学の理解の助けとなるでしょう。
岩波講座 物理の世界 物質科学入門2 物質の成り立ち 常行真司 著 岩波書店
主に、イオン・共有・金属・分子・水素結合の原理について書かれており、数式はほとんど出てこず、文章による解説がメインです。この本を読めば、物性物理学における結合の重要性が見えてくるでしょう。量子力学、統計力学の初等的内容を学び、これから物性物理学を学ぼうとする方に最適な本です。

2008/10/02 更新