熱力学、または統計力学は大学で学ぶ重要な分野の1つです。後に学ぶ物性物理学等の専門科目で必ずこの分野の知識が必要です。また発展した量子力学を学ぶためにも統計力学の知識は欠かせません。

新物理学シリーズ３２　熱力学　現代的な視点から　田崎晴明 著　培風館

熱力学の入門書として最適な本です。熱力学の基礎が上手くまとまっているので、大学院に入ってから熱力学の復習にも使えます。

新装版　統計力学　久保亮五 著　共立出版

統計力学の内容がコンパクトな本にまとめられており持ち運びしやすいです。私は統計力学は別の分厚い参考書を使って初めて勉強したので、もっとサイズが小さい参考書が欲しいと思いこの本を買ったのですが、初めて統計力学を学ぶ方にとっても大変わかりやすい参考書だと思います。またバックや机の上に置いておいても邪魔にならないサイズの本なので、統計力学の内容をすぐに復習、または確認したいときに便利な本でしょう。

大学演習　熱学・統計力学　久保亮五 編　裳華房

熱力学もそうですが統計物理学の理解を深めるためには問題演習が欠かせなく、統計物理学のテストやレポート課題は大学でよくやる事になるでしょう。そこで役立つのがこの参考書です。自分の経験上この参考書ほど統計物理学の問題を解くときに役立った参考書はありません。とにかくいろんな問題例が載っており、解答も途中計算から解説まで非常に丁寧です。

パリティ物理学コース　統計物理　川村光 著　丸善株式会社

内容は大学の学部向けとなっており、統計力学の基礎が非常にわかりやすく書かれています。統計力学の基礎的参考書として最適な本の1つでしょう。

岩波講座　物理の世界　統計力学１　ミクロとマクロをつなぐ　蔵本由紀 著　岩波書店

熱力学と統計力学の関係を考える事は、ミクロとマクロとの関係を考える事にもなりますが、この本では、そのような関連性の解説がメインの本です。この本を読めば、熱力学、統計力学の考え方が見えてくるでしょう。熱力学と統計力学の初学者に向けて書かれた本なので、解説や数式に関する説明も丁寧ですが、限られた紙数に書かれた本なので、本に出てくる数式の処理や意味まで詳細に理解するには、別途の専門書が必要になってくると思います。よって、この本は、これから学ぶ熱力学や統計力学の概観をつかみたい、またはざっと復習したい方に向いている本だと言えると思います。